昔、登夢陀羅里会では数年おきにマッキンリー、今のデナリに遠征隊を出していた。私は1ヶ月もの休みがどうしても取れなくて参加は出来なかったが、登山はそれほど難しいものではなくて、登頂の成否は天候次第。体力や技術的には私のレベルで全く問題はなかったようである。その都度、遠征の色々な話を伺ったが、一様に話していたのは24時間1ヶ月行動を共にした人たちとの絆である。行く前と行った後では人と成り、互いの理解の深さが全く違ったそうである、後の宝になったと。デナリよりそれが実は本当に羨ましかった。昨今、会でもLINEが盛況。山行が決まるとグループを作る、その中で打ち合わせが始まる。打ち合わせは色々な分野に及び思いがけない話題が出て、返答やスタンプに人柄が踊る。ちなみに避難小屋山行のやりとりは数えてみたらなんと227回。知恵や経験を駆使して一つの山行に向かう、既にアプローチが始まっていたのだ。SNSが様々な弊害も起こす中、それを煩わしいと思い離脱するか、日常の糧にするか、善し悪しではなく、それは生き方を左右する大きな選択だと思う。私は自分の正しさや楽しみや喜びが損なわれようとも、煩わしさの大海に泳ぎだしてこそ得られるグローバルな世界で、独りよがりな、ちまちまとした喜びと決別したい。