95%がんでしょう。まさに青天の霹靂、人ごとのようであった事が自分に降りかかったとき、人は何を考えるのか。世の中の世の元の字は十が3つ重なったものである。人生30年であった頃の時代に生まれた漢字だが、今や人生百年の時代に入ろうとしている。とはいえ、古希を過ぎ、もう充分生きたではないか、日々衰え、心身ともに以前の自分には戻れない体を思えば、長らえることが幸せか、と自問する。山の自然の中で、生命あるものとの付き合いは50年に及ぶ、それはいずれは死んで行く命との付き合いであった。自分だけが長く生きて行くつもりであったのだろうか。数限りない殺生もしてきた、人は何かを殺生して生かされている。平穏な日々の中で、忘れてはいけないことだろう。結局、良性の腫瘍で事なきを得たが、肺を切除してリハビリが始まった。リハビリは、焦らずコツコツと、ゆっくり無理をせず、であるが、その中に努力の一言がなければこれからの日々に花を咲かせることはない。人一人の命の儚さと向き合った数週間、今後に生かして行かねば。山の自然を共有出来る仲間と、山毛欅の森に育まれ、花や鳥や岩魚や虫たちと、もう少しだけ遊ばせて下さい。